歌:筋肉少女帯
作詞:大槻ケンヂ
作曲:橘高文彦
お別れのあと彼女はバスの中で
誰ともつながりたくなかったから
バッグの中にあった一冊の本に目を落とした
そのエッセイ集には買った覚えがなかった
さっき別れた男のものかもしれない
ボンヤリ読んでいると
「Falling out of love」という言葉を見つけた
それは「Falling love」
恋に落ちる、の逆の言葉
恋から抜け出す、と訳すべきか
恋に落ちるつらさ、苦しさ、について人は皆言うけれど
恋から抜け出す、開放される、自由になる喜びを人は語らない
ある哲学者はこれを宗教の回心になぞらえ
救い、と考察しているそうだ
彼女はふと窓の外を見た
いつのまにか空が晴れていた
ああ、今までなんでわたし、気づかなかったのだろう
ああ
Falling out of love
木漏れ日 (やさしく)
さえずる鳥たちよ
ああ
Falling out of love
気付きは (目覚めは)
降り注ぐよ 今から
そして彼女はバスの中で眠り、夢を見た
別れた恋人は本当は世界を救う軍人だ
殉職した
だからもう会えないのだ
いや彼は実はロックスターで
2人はそもそも生き方が違った
だから別れた
バカげた夢だな
でもみんな、どこかで現実にあることかもしれない、とも感じた
みんな苦しんだんだね、と
でも、わたしたちは今、つらいのではないんだ
つらさから、開放されたのだ
バスの窓の外に空を行く何かが見えた
恋からの開放
わたしたちは
やっと楽になったんだ
ああ
Falling out of love
その時 (ゆっくり)
バスは空に浮かび
ああ
Falling out of love
飛んでく (どこまで)
銀河のはるか彼方
宇宙を漂う
プレアデス
牡牛座
ブラックホール
ワームホール
なぜだか
息は出来た
ああ
Falling out of love
誰もが (望むよ)
そのやすらぎの世界
ああ
Falling out of love
だけれど (また恋は)
降り注ぐよ あなたに
ああ
Falling out of love
ラララ ラララ
ラララ ラララ
バスを降りた彼女は
家へと歩いた
その途中で見たのさ
ゆらめく陽炎
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