歌:山本正之
作詞:山本正之
作曲:山本正之
自由の女神の胸の谷間に ジャンクのボートがたどり着き
エッフェル塔の展望台に ジュゴンの親子が棲みついた
何十年何百年時代の昔 威張って栄えた貴族のツブは
珊瑚の根元のそのまた下の 泥にまみれて消え失せた
そんな絵巻が 水を漂い
ゆらゆらと ぶくぶくと ああ沈んでゆくぞ
拾え! 掬え! 翳せ! 飛ばせ!
今こそ誰かよ神になれ 今こそ人よ神になれ
今こそ人よ命なれ 今こそ命よ精になれ
おーおーおー その果てに 都市浮上
話は一人の生まれついての 万能百科の男で始まる
創ったものは器と斧と 槍と砦と車輪と歯車と
子供が産まれてまた子孫を産んで 百科の男は無限に育つ
パピルのノートは画素の画面に 鉄の銃器はNUCLEARに
そんな進化が 風の怒りを
くらくらと じわじわと ああ呼び起こす
閉ざせ! 隠せ! 衛れ! 囲め!
その時緑は黒になり その時誓いは仇になり
その時暮らしは影になり その時灯は闇になり
おーおーおー 地の底に 都市浮上
民族宗教政治の組織 金銀亡者の鐘太鼓
固めたハイウェイにジャムの上塗り 緩めたサッシュにバターの下心
オフィスの壁にカルマを見つめ 家の リビングのカオスに悩む
老いを追えないおざなりオールド 若さがわからぬ あさはか若さ
そんな堕落が 土を汚して
むらむらと ずくずくと ああ底無し池だ
探す! 掴む! 切れる! 沈む!
その時はじめて目が覚める その時はじめてベルが鳴る
その時はじめて片足を その時はじめて前に出す
おーおーおー 水辺から 都市浮上
話は一人の生まれついての 貧しい白痴の女で終わる
縫針さびしく布はせつなく 刺繍の糸のその先に
首輪を持たない自由な獣が マザーのおなかを舐めてる図柄
シュロを洗って羽毛集めて 日々の終わりの眠りの絵柄
そんな綺麗が 空を映して
さらさらと きらきらと ああ泉と変わる
汲めよ! 飲めよ! 知れよ! 気づけよ!
今こそすべては無為になれ 今こそひとつが無垢になれ
今こそ無垢が命なれ 今こそ無為が無垢になれ
おーおーおー 美しく 都市浮上
ピサの斜塔の斜めの窓を カモメの家族がベッドに使い
サグラダファミリアの真下の森に 花売り夫婦が棲みついた
何十年何百年時代の未来 静かに栄える知識の末裔
草を揃えて煉瓦を積んで 星の光にカノンを歌う
そんな絵本が 水の面に
ゆらゆらと すくすくと ああ浮かんでくるぞ
拾え! 掬え! 翳せ! 飛ばせ!
今こそ誰もが神になれ 今こそ神よ人になれ
今こそ人よ命なれ 今こそ命よ精になれ
おーおーおー 逞しく 都市浮上
今こそ闇は暁になり 今こそ敵が友になり
今こそ化石は魚になり 今こそすべては正になり
おーおーおー 勇ましく 都市浮上
おーおーおー 逞しく 都市浮上
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