歌:玉川奈々福
作詞:相田毅/玉川奈々福
作曲:山口誠
舞いよ舞え 夢よ
どうせ儚い 愚か者
舞いよ舞え 咲けよ
そしてひと太刀の 花になれ
黒く光った玉鋼(たまはがね)
地・水・火・風の命受けて
誠 福岡一文字
平手造酒(ひらてみき)なら 望む気質(きだて)だぜ
利根の河原へ
例えその身が 尽きようとも
握る 柄から 血がたぎるぜ
舞いよ舞え 時よ
どうせこの世は 愚か者
舞いよ舞え 風よ
すべて巻き上げて 空になれ
はじめはただの玉鋼
後鳥羽院御番鍛冶(ごばんかじ)の手により打ち出され
生まれいでたるこの我を
心技一体、使いこなせる剣豪はありや
刃文(はもん)に映る顔、顔、顔……
こやつも、あやつも食い足りぬ
位や家は高貴でも、名刀福岡一文字
たやすく扱えるものではない
ところが、ある男の手が触れたとき
ああ、こやつこそ、と思ったのだ
その男、平手造酒
金も 門閥もないその身
けれど俺とはウマが合う
千葉の周作 四天王 例え堕ちても
剣に 一途だぜ
利根の河原へ
倒れ行く時 何故 微笑む
悔いは ないぜと 俺に 言うのか
舞いよ舞え 夢よ
どうせ儚い 愚か者
舞いよ舞え 咲けよ
そしてひと太刀の 花になれ
ときに天保十二年、八月半ばの十三夜
利根の川風向かい風
病んだ身体に鞭打って、喧嘩場へ駆ける平手酒造
この剣豪に操られ、この身は踊る、人を斬る
一人、二人、三人、四人……
だが相棒よ、終わりの時が来たようだ
我が身がぽきりと折れたとき
平手にずぶりと刃がささる
薄ら笑いを浮かべつつ、河原に倒れた平手の横で
折れた刃先に月が映る
舞いよ舞え 夢よ
どうせ儚い 愚か者
舞いよ舞え 咲けよ
そしてひと太刀の 花になれ
舞いよ舞え 花よ
どうせこの世は 愚か者
舞いよ舞え 夢よ
すべてこの世への 置き土産
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