歌:コブクロ
作詞:小渕健太郎
作曲:小渕健太郎
真夜中のアスファルトから沸き上がる、生乾きの夜風が、
夏を名残惜しむ様に、袖口を泳ぎまわってる。
賑やかに幕を閉じた飲み会のあと、忍び込んだグラウンド。
輪になって腰を下ろした、お決まりの顔ぶれ。
飲み足りないやつは缶ビールを、忙しいやつは携帯を片手に、
大したオチも期待できない様な、話題を繰り返す。
途切れる事の無い笑い声と、変らない話し言葉に、
心がほどけて、遠い記憶の中へと連れてゆく。
あの頃は、迷ったり、考える暇さえも邪魔臭くて、
みんなでいれば、何だって出来る様な気がしていた。
どこへでも行って、やるだけやって、時々、バカを見て。
そうさ、分かっていても、それでも、僕等を止めるものなど何も無かった。
夢中で追い求めていたものが、青春だったとするなら
そんなもの、これっぽっちも見えた事など無かった。
時が過ぎて、今、ページを戻し、少しずつ読み返す。
ボロボロの日記をめくるような、このもどかしい気持ち。これも青春。
幾つかの恋もした。それと同じだけのサヨナラも。
今、遠く斜向かい、ひざを抱え座ってる、たしか、、君にもね。
手渡したオレンジ色の花火の光、君の薬指にキラリ。
細々と、燻っていた恋の火も、バケツの中でシュッと消えた。
色んな事があったよね。主役の居ない映画のような日々さ。
あの日だってそう、お前が俺の身代わりになって、
あいつの為、みんなで謝って、結局、なにもかもダメで、
全部、振り出しに戻って、また、朝まで笑って、少しだけ泣いた。
にわかに近頃、大人になったような気がする、自分に嫌気がさす。
本当に大切な事がなんなのか?まじめに考えてたりする。
カッコつけていう訳じゃないけど、ちゃんと生きていかなくちゃね。
お前みたいに、カッコ悪くてもちゃんと輝いていなくちゃね。
芝生の熱で温もった缶ビールを、一気にあけながらお前、
こぼれそうな星空を見上げたまま、涙を拭いていた。
お前とは、今日まで秘密無く、何だって話してきたけれど、
どうしてか、どうしてか、何も聴けなかった。
男には色々あるんだ、どこまでも孤独だから。
まだまだ、越えて行かなくちゃいけない壁が沢山、待ってる。
でも、その向こう側を見た時、何もかも忘れる生き物さ。
そして、また新しい光に向かって、性懲りも無く、歩き出して行くんだ。
Feel easy just seeing you sometimes.
(時々会えれば それでいいんだ)
Feel comfy just being with you some time.
(一緒にいるだけで 解り合えるんだ)
Only a few minutes are enough to
(ほんの僅かな時間で僕等は)
bring us back those good old days.
(いつだってあの頃に 戻れるのだから)
明日、仕事だからと、一人、また一人と芝を払い立ち上がる、
夜明けの雲の隙間に張り付いた、朝星を見上げながら。
この街を離れてから今日まで、心の何処かに空いていた穴を、
すっかり埋められたよ。またいつか帰るよ。
元気で…元気で…
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